前世恋人だった副社長が、甘すぎる
慌てて話題を探そうとした。
こんな私を、泉はまだ興味深そうで、それでいて意外そうな瞳で見つめている。
「穂花ってさぁ……」
泉が怪訝な顔で聞く。
「結局、彼氏欲しいの?
本気の恋をすること、あるの?
新しい彼氏が出来ても、いつもクールでポイっと捨ててしまって」
それは、私自身も分からない。
だけど、どんな男性と付き合っても、一歩引いている自分がいるのだ。
恋に狂うことなんて、もちろんない。
「もしかして、二次元にしか恋出来ないとか?」
本当にそうかもしれない。
だって、本の中のマルクですら、私を掻き乱しドキドキさせたから。
そして、私がクリスチーヌの生まれ変わりだなんて、本当に妄想かもしれない……