前世恋人だった副社長が、甘すぎる


慌てて話題を探そうとした。

こんな私を、泉はまだ興味深そうで、それでいて意外そうな瞳で見つめている。


「穂花ってさぁ……」


泉が怪訝な顔で聞く。


「結局、彼氏欲しいの?

本気の恋をすること、あるの?

新しい彼氏が出来ても、いつもクールでポイっと捨ててしまって」



それは、私自身も分からない。

だけど、どんな男性と付き合っても、一歩引いている自分がいるのだ。

恋に狂うことなんて、もちろんない。


「もしかして、二次元にしか恋出来ないとか?」


本当にそうかもしれない。

だって、本の中のマルクですら、私を掻き乱しドキドキさせたから。

そして、私がクリスチーヌの生まれ変わりだなんて、本当に妄想かもしれない……



< 7 / 258 >

この作品をシェア

pagetop