前世恋人だった副社長が、甘すぎる



そんななか、思い出したように泉が言う。


「そういえば今日、副社長が視察に来るんだって!」


そう言う泉はどこか顔が紅い。

その副社長とやらに恋でもしているのだろうか。

へぇーと何気ない相槌を打つ私に、泉は困ったように言う。


「ほら、穂花、副社長にも興味ないんだから!」

「興味ないって言うか……」



ないに決まっているだろう。

私は現在、都内にあるとあるホテルで働いている。

このホテルグループは日本各地に展開し、日本国民はこのホテルの名をそれなりの高級ホテルだと認知している。

こんなホテルグループの副社長となると、名前を聞いたことがあるかもしれないくらいの世界が違う人なのだ。

どうしてそんな遠い人に興味を抱かないといけないのだろう。



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