前世恋人だった副社長が、甘すぎる
大袈裟すぎてわざとらしいかもしれない。
だけど、凍っている顔の怜士さんに酷くビクついている田川さんが気の毒になった。怜士さんのために買いに行ってくれた田川さんに、礼の一つもないなんて。
「ありがとうございます、田川さん!
ほら!副社長も田川さんにお礼を言われたらいかがですか?」
私の言動に、田川さんは嬉しそうだが凍りついていた。
きっと、怜士さんがまた度を超えたパワハラ的態度を取ると思っているのだろう。
だけど、私は分かってしまった。怜士さんは、私にはそんな態度を取らないことを。
「あ、ありがとう、田川」
口元をピクつかせながらも田川さんにお礼を言った怜士さんを見て、心の中でガッツポーズをしていた。
そして田川さんは深々と頭を下げて去っていった。