前世恋人だった副社長が、甘すぎる
扉を開いたのは田川さんだった。
昨夜副社長室の外で見た田川さんはイキイキしていたのに、今の田川さん亡霊のようだ。
暗い顔で遠慮がちに言う。
「副社長、お忙しいところ申し訳ありません。
本日の会の手土産を買って参りました」
そう告げ、丁重に持っているいかにも高そうな大きな袋を机に置いた。
怜士さんは袋に歩み寄り、見定めするかのようにそれを眺める。
そして、
「銀座和本店か。いつもここだな」
なんて文句を言い始めるものだから、
「わーっ!!すごく立派で美味しそうな和菓子です!!」
努めて声を張り上げる。
「私、こんな上等なものを食べたことなんてなくて!
一度食べてみたいなあ!!
もらわれた方、嬉しいだろうなぁ!!」