心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 レオは何か言いたそうな顔で、ソファに座りながらチラチラと遠慮がちにグレイの様子をうかがっている。


「……なんだ? 何か言いたいことがありそうな顔だな」

「えっ!? わ、わかるの!?」

「……隠してるつもりだったのか?」


 本音を言うならば、レオが何を言おうとしているのかまで、グレイにはわかっていた。
 けれど本人の口からしっかりと確認したかったため、あえて質問したのである。

 レオはグレイの冷たい瞳を真っ直ぐに見つめながら、ためらいがちに……でもはっきりと言った。


「俺は、やっぱりマリアをあの檻から出してあげたい」

「…………」


 思った通りの回答に、グレイは何も答えない。
 この先のレオの考えを聞くためである。
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