心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

「でも、グレイやグレイのお母さんが捕まってしまうのはイヤだ……。だから王宮に伝えるのは、まだ様子を見るとして……ひとまず檻から出して、一緒に暮らすことはできないの?」


 『聖女』は国の宝だ。発見次第、王宮に伝えるのは国民にとって当然の義務である。
 特にその聖女が()()()()()だったのなら、なおさらだ。

 それでもレオが聖女のことだけでなく、グレイのこともしっかり考えてくれていることに彼の優しさが伝わってくる。


「……あの女が、マリアを出さないだろう。マリアが出たくない理由も、あの女が怖いからだと言っていたし、おそらく厳しい(しつけ)を受けているのだと思う」

「厳しい躾……」


 レオの顔が曇った。
 グレイが『酷い扱い』よりも『厳しい躾』と言ったのは、レオの暴走を止めるためである。

 実際にイザベラがマリアに対してどんな対応をしているのかは知らないが、マリアが怖いというほどの何かをされているはずだ。
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