心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
初めてガイルがにっこりと笑った。
祖父はグレイが赤ん坊の頃に死んでしまったので、グレイの記憶には全く残っていない。
似ていると言われても、グレイにはピンとこなかった。
「……それだけか?」
「はい」
「…………」
友人であった祖父に似ているから、現当主であるイザベラではなく俺につく?
ガイルの考えは全く理解できないが、ここで疑ったところで真相はわからない。
グレイは少し警戒をしながらも、ガイルの協力を得ることにした。