心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
ガイルは顔色を変えることなく、淡々と質問に答えていく。
「はい。毎月この時期になると、3日ほど食事は与えられておりません」
「そんな……!! じゃあ、この怪我に熱の状態で、ずっと放置されてるってこと!? 食事ももらえずに!?」
「そういうことになりますね」
レオはショックのあまり、口を開けたまま硬直してしまっている。
2人が会話している間も、グレイはずっとガイルを睨み続けていた。
「それを知っていて、お前はマリアを放置していたのか? 助けることもせずに?」
「私は何も知らないことになっておりますので、手を出すことはできません」
「……お前も狂っているな」
グレイは皮肉を込めて、囁くような小さな声で言った。
その様子をマリアがじっと何かを言いたそうな顔で見つめていた。