心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
「ねぇ、レ……」
コンコンコン
マリアがレオに問いかけようとした時、書庫の扉をノックされた。
ここは滅多に人の来ない場所であるし、マリア達がここにいることも誰にも言っていない。
一体誰が来たのだろうと、3人は黙ったまま顔を見合わせた。
レオが少し扉に近づき返事をする。
「……はい?」
「ガイルです。マリア様へエドワード殿下から手紙が届いてます故お持ちいたしました」
「あ、どうぞ」
なんでここにマリアがいることを知っている? と3人は思ったが、ガイルならば知っていても不思議はないと各自結論を出した。
返事をしてすぐ、ガイルが書庫に入ってくる。
「マリア様、王宮から来月行われるガブール国との親交パーティーの招待状が届いております」
「ガブール国?」
昔からそれなりの友好国であるカブール国は、船を使ってひと月近くかかるほど離れた場所にある。
そのため王族同士が実際に会うことは滅多になく、10年前の聖女セレモニーにも参加していなかった。
ガブール国との親交パーティーと聞いて、レオがハッとして両手をパンと叩いた。
みんなの視線がレオに向けられる。
「あっ! それ、聞いた! この親交パーティーは、カブール国のマナーに合わせたものになるって! この国はわりと自由だけど、カブール国では絶対にパートナーを連れての参加じゃなきゃダメなんだって!!」
「パートナーなしでは入れないってこと?」
「そういうことだね! ……ということは、その王子からマリアへの手紙ってもしかして……」