愛しているから、結婚はお断りします~エリート御曹司は薄幸令嬢への一途愛を諦めない~【試し読み】
《遅い、俺はお前みたいに暇じゃないんだ》
最初から嫌みを言われて、ただでさえ嫌な電話なのにますます話をしたくない。しかし少しでも態度に表すと、お説教が長引きそうなのでぐっと我慢する。
これも処世術のひとつね。私も大人になったわ。
自己評価を上げつつ、叔父の電話に耳を傾ける。
「お待たせしてごめんなさい」
素直に謝ったことで、叔父の怒りはある程度収まったようだ。すぐに本題に入ってくれてホッとするはずだったのに……その内容に私は驚きで言葉を失う。
《見合いが決まった。場所と日時は連絡するから》
どうしていきなりお見合いなの? もうあきらめてくれたと思ったのに。
六年半前、父が亡くなった当初、叔父は何度も私にお見合い話を持ちかけてきた。その時は母が盾になってくれてお見合いをせずに済んだのだけれど、まさか今になってまた言い出すとは。
「お見合いって私の?」
《当たり前だろう。お前も二十七だろ。適齢期じゃないか》
「確かに世間一般ではそうかもしれないけれど、私に結婚なんて」
どうにか理由をつけて断ろうとする。いまだに初恋を引きずっている私に結婚なんて無理だ。
《音羽のために結婚できるんだ。なにを迷う必要があるんだ? 父親の残した会社のためなんだからうれしいだろう?》
「そんな、でも私……」
言葉か続かずに、ギュッと電話を握りしめた。
断れる立場にないのは承知しているけれど、今私が結婚したら母はどうなってしまうんだろう?
相手の人次第で、母の処遇が決まってしまう。そんな賭けはできない。
私の心配を知ってか知らずか、解決策を提示するかのようなことを叔父が提案してきた。
《広(ひろ)子(こ)さんの体調、思わしくないんじゃないのか? この結婚が成功したら金を出してやってもいい》
「本当に?」
最初から嫌みを言われて、ただでさえ嫌な電話なのにますます話をしたくない。しかし少しでも態度に表すと、お説教が長引きそうなのでぐっと我慢する。
これも処世術のひとつね。私も大人になったわ。
自己評価を上げつつ、叔父の電話に耳を傾ける。
「お待たせしてごめんなさい」
素直に謝ったことで、叔父の怒りはある程度収まったようだ。すぐに本題に入ってくれてホッとするはずだったのに……その内容に私は驚きで言葉を失う。
《見合いが決まった。場所と日時は連絡するから》
どうしていきなりお見合いなの? もうあきらめてくれたと思ったのに。
六年半前、父が亡くなった当初、叔父は何度も私にお見合い話を持ちかけてきた。その時は母が盾になってくれてお見合いをせずに済んだのだけれど、まさか今になってまた言い出すとは。
「お見合いって私の?」
《当たり前だろう。お前も二十七だろ。適齢期じゃないか》
「確かに世間一般ではそうかもしれないけれど、私に結婚なんて」
どうにか理由をつけて断ろうとする。いまだに初恋を引きずっている私に結婚なんて無理だ。
《音羽のために結婚できるんだ。なにを迷う必要があるんだ? 父親の残した会社のためなんだからうれしいだろう?》
「そんな、でも私……」
言葉か続かずに、ギュッと電話を握りしめた。
断れる立場にないのは承知しているけれど、今私が結婚したら母はどうなってしまうんだろう?
相手の人次第で、母の処遇が決まってしまう。そんな賭けはできない。
私の心配を知ってか知らずか、解決策を提示するかのようなことを叔父が提案してきた。
《広(ひろ)子(こ)さんの体調、思わしくないんじゃないのか? この結婚が成功したら金を出してやってもいい》
「本当に?」