運命の人
「あれ?そうなの?残念だな。俺は結構本気だったんだけど」
「いや、あの…嫌だとかそういうんじゃなくて」
どう言ったらいいのだろう。
早く答えなきゃと焦れば焦るほど余計に頭の中が真っ白になる。
「あの…ですね」
困り、言葉に詰まっていると如月さんが側に来て頭にポンと手を乗せた。
「気にしなくて大丈夫だよ。それより手を洗って食事にしよう。こっちに来て」
「ありがとうございます。でもその前に、これ」
私は手に持っていた菓子折りと手作りのお惣菜を手渡す。
「作って来てくれたの?」
如月さんは受け取るなりお惣菜の入ったタッパーを袋から取り出した。
「ちゃんと会社の冷蔵庫で保管していたので衛生状態は大丈夫だと思います」
「そんなことまで気にしてくれて…ありがとう。すごく嬉しいよ」
如月さんが笑ってくれた。
それだけで早起きして作った甲斐がある。
好きな人が喜んでくれるとこんなに嬉しいんだ。
「どうかした?」
如月さんに聞かれて首を横に振る。
でも如月さんのことを好きだと自覚した瞬間だったので、内心すごくドキドキしていた。
洗面台を借りて手をゆっくり洗うことで気持ちを落ち着かせる。
そして戻るとテーブルの上にはたくさんの料理が並べられていた。