四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

私の世界であなたは死んでます

翌日、着替えながら鏡を見て、絶望した。

四季くんにつけられた痕…昨日より濃くない!?
四季くん酷いよぉ…。
私が服装検査、引っかかったの知ってるくせにっ…!

″厄日″ってのは続くもので、
校門に近づくにつれて、あー…二回目の服装検査してるんだって気がついた。

昨日やったばっかりなのに、連日するなんて嘘でしょ!?

今朝は、昨日夕凪がしてくれたみたいに、自分でファンデを駆使してみたけれど、
濃く、しかもちょっと大きくなってしまっているソレはきれいには隠せてない。

絆創膏でも貼ろうかと思ったけれど、
あからさますぎてやめた。

ていうか…なんで柳瀬もいるんだろう。

バインダーを持ってチェックする、三年生の風紀委員長の横に夕凪、
反対側にみのりちゃんともう一人の風紀委員。

校門前に立って、生徒達に「おはよう」って、
いかにも「さわやかイケメン教師」の出立ちで笑顔を振りまく柳瀬。

女子生徒達は朝から柳瀬と会えてうれしそうにしてる。

「人生には良いことと悪いことが平等にある」なんて
神様だか、どっかの偉いひとだかが言ったらしいけれど、
それなら今の私のターンは完全に不平等だ。

ハードモードを選んだ覚えはない。
お願いします。
リセットさせてください。

すこーしずつ近づいていく私に、夕凪はすぐに気がついた。

「シュリ、おはよ」

「夕凪…なんでまたやってんの…」

「あー、昨日さ、いつもより結果が悪かったんだよね。夏休み明けで気が緩んでるんじゃないのってことで、まぁ一種の脅しだよね」

あはは!って大声で笑った夕凪。
大声で泣き出したい私。

校門前から私と夕凪に柳瀬が近づいてきた。
< 180 / 233 >

この作品をシェア

pagetop