私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】
「ごめんね、アリエル。私……2人のことを応援していたのに、こんなことになって」

「いいのよ。私とフェリクスは昔から喧嘩ばかりだったし、元々合わないのよ。……ドロテが彼と婚約するのでしょう?」


 ドロテは目に涙を浮かべ、口を閉じたままコクンと頷いた。


「本当に……ごめんなさ……」

「謝る必要はないわ。最初からそうしておけばよかったんだもの。私とフェリクスが婚約したのがそもそもの間違いだったのよ」

「……フェリクスが、広間の階段のところでアリエルを待ってるわ」

「わかったわ。教えてくれてありがとう」


 ドロテにニコッと微笑むと、私はそのまま王宮の広間に向かって歩き出す。
 私に婚約破棄を申し出ようとしているフェリクスに会うために──。
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