私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】

「実は、目撃者がいるのですよ。アリエル・ブランシュ」

「目撃者?」


 その時、下を向いたまま黙っていたドロテに視線が集中した。
 今にも泣き出しそうな顔のドロテは、まるで勇気を振り絞るかのような必死な顔で私を見た。


「私よ、アリエル。あなた達のことが気になって、こっそり見ていたの」

「ドロテ……?」

「そして見てしまったのよ。あなたが……フェリクスを階段から突き落としたのを……!」

「えっ……?」


 ドロテはギュッと目をつぶり、震える手を自分で包み込むようにして両手を握りしめている。その切羽詰まった様子は、どこから見ても事実を言っているようにしか見えない。



 ドロテ? 何を言っているの?
 
< 29 / 61 >

この作品をシェア

pagetop