私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】

「うるさいわね。なんであなたもここにいるのよ」

「俺と話せるのはアリエルしかいないんだから仕方ないだろ」

「はいはい。見えるのがドロテじゃなくて残念だったわね」


 嫌味っぽくそう言うと、フェリクスは釣り上げた眉をピクッと反応させた。


「だからなんでそこでドロテが出てくるんだよ! お前こそ、ここにいるのはアランのほうがよかったとか思ってるんだろ!?」

「どうしてここでアランの名前が出るのよ!? 彼がなんの関係があるっていうの!?」

「それは──」


 その時、牢屋の前に1人の騎士が現れた。
 私を心配そうに見ているその騎士は、まさに今話に出ていたアランだ。
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