私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】

 フェリクスが「ほら。俺の言った通りだ……」と少し落ち込んだような声で呟く。


「アリエル。大丈夫か?」

「アラン。どうして……」

「ドロテに聞いたんだ。フェリクス殿下を階段から落としたなんて嘘なんだろ?」

「もちろんよ!」


 私達が話している間、フェリクスが恐ろしい形相でアランを睨みつけている。
 そのあまりにも黒い闇のオーラに、アランがフェリクスを見えていなくてよかったと心底思った。


「そうだよな。アリエルがそんなことをするわけないよな。あんなに殿下を慕っていたのに……」

「え」

「アアアアアラン!!!」



 ちょっと!? 何を言う気!?
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