私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】
私達の婚約破棄がなくなり、隣国の第2王子に嫁ぐのは予定通りドロテに決まったのだ。
それ以来ドロテには会っていないけど、きっと今頃彼女にとっては最悪の状況になっているはずだ。
「あんなにドロテに優しかったくせに」
「それはドロテが俺に優しかったから同じように返してただけだ。意図的に俺とアリエルの婚約を破棄しようとしてきた相手に、もう優しくする必要はないだろ」
聞く耳持たずな様子でプイッと顔をそらされる。
俺に優しかったから同じように返してた?
じゃあ、私といつも喧嘩していたのは、私がよく反抗してたから同じように反抗してきてた……ってこと?
それなら、もし……もし私が素直に甘えたりしたら、フェリクスも……?
ジーーッと見つめると、フェリクスは頬を少し赤らめて眉根を寄せた。
私があまりにも真剣な表情で見ていたものだから、睨まれていると勘違いされたのかもしれない。
「な、なんだよ」
「あの、フェリクス。私……」
「?」