狂愛〜虎を照らす月〜
「奥様も、お綺麗で」
陸が、深月にも話しかける。

深月は、陸の表向きが面白かったのか、クスッと笑った。


「ありがとうございます」
とりあえず、合わせてお礼は言うことにしたらしい。


ザワザワと、人々がコチラを向いては大きく目を開けて驚いている。


はぁ。
だよな。こうなるよな。


「岳。みんなこっち見てない?」

深月もさすがに気づいたようだ。


「ああ。俺の妻を一目見ようと集まってる。
クククク!しかも、お前が綺麗すぎて、声すら掛けれないでいるみたいだな。」


「え?岳を見てるんじゃないの?」

お前だよ。


「奥様も旦那様も、初めて見るお二人のツーショットが強烈過ぎるんですよ」

後ろから、ビジネスモードの朔が話しかける。



「そういう事だ。ほっとけばいい。」
俺はそう言って、深月に微笑んだ。

本当は、一刻も早く帰りたいのを我慢して。

そんな俺を知ってか知らずか、深月もふふふと笑った。


また、ザワザワと騒ぎ出した。


ほら。
深月がかわいい顔で笑ったりするから。


見るな。俺のだ。

一瞬ピリッと感情を出してしまう。
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