狂愛〜虎を照らす月〜



「めっちゃ美人!!人形みたい!!お似合い過ぎなんだけど!!」

「ちょっと!!声デカいって!聞こえちゃう」


いやいや、ガッツリ聞こえてますがな。


「モデルさんかな?」

「いや、あんな美人いたらわかるでしょ!」


めっちゃ褒めるやん。
なんか、恥ずかしいんだけど。

「スタイル、ヤバくない?ドレス似合いすぎ」

「脚きれー!てか全部きれい!」


その後も、岳を見て色めき立つ女性が、私を見てガッカリした表情を見せたり、目をキラキラさせたりして見られる。

とにかく見られる。

そして、男性も。


私はそっと岳を見上げた。

「どうした?」


「いや、、何でもない」


「クククク。気づいたか?」


「みんな、岳を見てる」


「ああ。そうだな。でも、それだけじゃないよな?」


「う、うん。勘違いじゃなければ、、」


「ああ。みんなお前を見てる。綺麗だって騒いでる」

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