狂愛〜虎を照らす月〜
だ、だよね。

「私、美人だったらしい」


「ああ。そうだ。やっと気づいたか?」


「ママは美人だと思ってた」


「ああ。そっくりだ。母親以上に深月は美人だぞ」


「パパ、熊なのに」


「ははは。そだな。上手いことできてんな」


「岳も見られてるよ?私の岳なのに」

岳が、ハッと目を開けて私を見る。

あ、ついヤキモチを、、口にしてしまった。


「おい。ヤキモチか?」


ヤバい。ウザかったかも。今のは。

そして岳が、私の腰に回した手を更に引き寄せた。

「遠慮せず言っていい。俺は、お前のだ。そしてお前は、俺の。そうだろ?」

そう言って耳元で低い声で囁く。
心なしか、どこか嬉しそう。


ゾクゾクと背中に何かが走る。


「今夜は寝れないな」

そう言って、クスッと笑うとまた前を向いて歩き出した。



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