愛のない一夜からはじまる御曹司の切愛

 一緒にいれば優しくなれるし、甘やかしたくなる。まだまだ俺に遠慮して、本音をみせてくれないのも当たり前だ。

 でも、今まで辛い思いをさせた分、俺は彼女を愛したい。そんな思いが溢れる。
  あのまま抱きしめて、キスをしてドロドロになるまで抱きたい。それが俺の本音だが、そんなことをしたら咲良は離れて行ってしまうだろう。
 
 大切だからこそ、慎重にならなければ。間違えるわけにはいかない。
 

 そう思っていた矢先、ポケットの中でスマホが揺れる。

 自分の部屋に戻り、パソコンを開いて眼鏡をかけて、それに応じる。

 明日も二人との時間を作りたい。その思いだけで俺は仕事を始めた。

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