パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 安堵した彼女の言葉に、ツキンと小さな針が刺さったような痛みを覚える。確かに弥生を挟んで私たちは家族としてうまくやっていると思う。

 でも……。

 籍を入れたいと言ってくれた彼にも、返事をできずにいるし、抱き合ってすらいない。
 上辺だけの関係と言ってしまえばそれまでだ。

「咲良さん?」
 急に暗くなってしまった私に、花恋ちゃんが心配そうに声をかける。


「ごめん、ごめん。花恋ちゃん、今は自分たちのことを考えて。再来週だよ、結婚式」
 その話題を振ると、花恋ちゃんは「そうなんですよ……」と結婚式の話を始めた。

「本当に美味しかったです」
 夕方、元樹の食事を作らないと花恋ちゃんは帰り支度をしていた。

「元樹にもよろしくね」
「はい」
 私が笑うと、花恋ちゃんは弥生に手を振って帰っていった。

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