パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 そこに彼女の優しさが垣間見られた。

「かわいいね、弥生」
「くましゃん」
 お利口にできるか心配していた私たちをよそに、弥生は終始楽しそうにしていた。

 お色直しをして、二人がテーブルをまわっているのを見て、私は感慨深い気持ちになる。あの頃、ふたりで恋愛について相談し、悩んだ日々。それがこうして思いあった人と一緒になれた。

 涙をハンカチで押さえていると、二人が私たちのテーブルにやってくる。

「咲良。今日はありがとう」
「元樹、花恋ちゃん本当におめでとう。元樹、よかったね」

 泣き笑いを向けた私に、元樹は幸せそうに微笑んだと思えば、そっと私の耳元に顔をよせた。
「いろいろあったけど、今度は咲良の番だろ?」

 そう言って微笑んだ彼を、恭弥さんがグイっと無言で私から引き離す。
 「兄貴、余裕なさすぎ」
 くすっと笑うと、基樹は次のテーブルへと歩いて行った。

 しあわせな気持ちの今日、私は彼に自分の思いを伝えようと決心した。これから先、彼の気持ちが離れないなんて保証はどこにもない。
 でも、傷つくことを恐れて、幸せになる方法を手放すなんてバカげている。
 しあわせそうな二人に精一杯の祝福を捧げながら私はそう誓った。
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