パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 俺の考えを悟ったようで、さやかはクスリと妖艶にさえ見える笑みを浮かべた。

「兄貴! いたか?」
 披露宴終わりだというのに、咲良が消えたと話すと一緒に探してくれている元樹。花恋ちゃんは弥生を見てくれている。

「さやか?」
 元樹もさやかの姿を確認すると、動きを止めて彼女を見据えた。

「いやだ、元樹までなによ、その顔」
 最近女優業も始めたらしいさやかは、まったく動じることなく俺たちに笑いかける。

「今日は仕事よ。ね」
 そう言うと、後ろに控えていたマネージャーらしき男性をチラリとみる。

「ええ」
 シルバーの眼鏡のテンプルを触りながら、その男は小さく返事をした。
 本当に知らないというのなら、早く探しに行きたい気持ちを押さえ、俺はさやかに問いかける。

「本当にか?」
「私は何も知らないわ」
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