愛のない一夜からはじまる御曹司の切愛
エピローグ



「また見てるの? でも、あの時は本当に恥ずかしかったな」
 あれから半年、弥生を寝かしつけ終えてから、ソファに座り結婚式の写真をまた見ている恭弥さんに、コーヒーをカップをテーブルに置きつつも私もそばに座る。

 最後に愛を告白した場面の写真も、ちゃんと写真にも映像にも納められていたのだ。

「あそこで宣言しておけば、咲良はもう逃げられないだろ」
 クスっと笑いながら初めて聞く内容に、私は目を丸くする。

「え? そんなこと考えていたの?」

「さあ、どうだろうな」
 どちらかわからない恭弥さんを、私は軽く睨みつけた。

「もう」

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