君に、振り向いてほしいから
お姉ちゃんは小さく微笑み、そっと頷いた。

まあ、頼まれてるなら……。

断れないな。

「私でいいのなら、queenやってみたいです」

嬉しそうに微笑んだ彼のあとについていくと、大きな建物の前に来た。

彼に続き、中に入る。

二代目king……聖夜さんの説明を受け、お姉ちゃんと部屋に向かう。

「朝陽、頑張ってくださいね」

「え?」

「queenの道は厳しいです。でも、queenは唯一kingを支えられる存在。そのことに誇りを持って、頑張ってください」

お姉ちゃんが小さく微笑み、部屋の扉を開けた。

広い……。

お姉ちゃんは私に部屋の鍵を手渡すと、足早に部屋を去っていった。

中に入り、鍵を締める。

アイドルグループのオーディション……。

どうしようかな。期限は一週間後。

少し早いような気もするけれど、応募してみることにした。

nightの人たちを説得し、オーディションの資料を読んだりして過ごしているうちに、その日はやってきた。

電車に乗り、会場へ向かう。

会場には、たくさんの人が集まっていた。

すごい……。こんなにたくさん……。

指定されていた部屋に入り、椅子に腰掛ける。

しばらくしてから面接が始まった。

笑顔を絶やさずに、自分の気持ちを伝える。

お兄ちゃんから教わったことを意識して、質問に答える。

そのあと、実技審査が行われ、オーディションは終了した。
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