ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「父さん、で、いいんじゃない? そういきなり、あんただって、切り替えらんないでしょ?」

言いよどむ大地に、思わず口をはさんだ。締めたシートベルトを外し、大地の話の続きを待つ。

「うん。
……その……お父さんに、親子ではないと鑑定されましたって伝えたら、『分かった』って、言われて。
そのあと、
『今回のことは、けじめをつけたくてやったことだから、君のことは今まで通り、私が責任をもって養育させてもらうから、心配しなくていい』
って、言ってくれたんだよ」
「ふーん。ま、当然じゃない?
言い方悪いけど、大地は犬や猫の仔じゃないんだから、いったん引き取っておきながら、
『自分の子じゃないなら出てけ!』
……なんて言おうものなら、私が父さんを追いだしてやるとこだったけど」
「でも……血、繋がってないんだよ? 赤の他人の子、なのに……」

申し訳なさそうに、目を伏せる。

大地が父さんのことを『父親』だと思って……そう信じていたのは、何も、大地に責任があるわけじゃないのに。
そんな自分を恥じ入るような大地の態度に、思わず手を伸ばして、その髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜてしまった。

「父さんも、無条件にあんたを引き受けるとは、言わなかったでしょ?
面倒みてやっただけのことはしてもらうって、言ってたんじゃない?」
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