100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
「はあ? 私があなたの工具を盗って隠したと言いたいの? そんなバカな真似をするわけないでしょ。人のせいにしないでよ」
「で、ですが、私はストウェッジを開けていません」
「忘れているだけじゃないの? もしくは責任逃れで嘘をついているのか」
「嘘じゃないです。開けていないのも確かです」
強気に言い返すと、五十嵐が間に入った。
「嶺谷さん、ドライバーが入る大きさのビニール袋が機内にあれば持ってきてください」
「ビニール袋?」
「理由はあとで説明しますので急いで。ドライバーの捜索で機内に入っただけの整備士の方は持ち場に戻ってください」
和葉以外の整備士は皆、降機し、あとには七人のCAと和葉と五十嵐が残った。
嶺谷が持ってきたジッパーつきのビニール袋に和葉がドライバーを入れると、五十嵐がそれを持った。
(なにをする気?)
美玲が不服そうな目を五十嵐に向けている。
「搭乗開始まであと十六分です。まさか、これから犯人捜しをする気ですか?」
「そうです」
「金城さんの言い分を信じて、私たちを疑うんですか?」
婚約者だからかばうのかという非難の声があちこちから上がり、和葉はハラハラする。
他社の噂話だが、横暴な指示に怒ったCAたちが結束し、そのパイロットの便の乗務拒否があったそうだ。
そうなっては大変だと思い、自分のミスにした方がいいのではないかと迷い始める。
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