100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
(おばーの言葉がわかるの?)
妹を呼んで祖母を預け、五十嵐とビーチを後にする。
どうして祖母を理解できたのか問うと、首を横に振られた。
「言葉は少しもわからない。だが気持ちは伝わってきた。年一回の帰省だと寂しいだろ。もう少し回数を増やしたらどうだ?」
「そうしたいです。でもまとまった休みは申し訳ないと思うから申請しにくくて。それよりも大きな問題は費用なんですけど……」
趣味に使いすぎなければいいのは重々承知しているが、オークションで欲しい航空機部品を見つけると一期一会だと思い、つい買ってしまう。
「俺と結婚すればいい。帰省費用は出してやる」
ときめく恋心を抑えて足を止め、眉根を寄せた。
「私の家族は五十嵐さんを結婚相手だと信じてしまったようです。どうしてここまでするんですか? 本気で私との結婚を望んでいるんですか?」
「もちろん」
「どうして? 気に入っている程度の思いで普通は結婚しませんよ」
思えばおかしな婚約だ。
ストーカーから逃げるために同棲を提案され、ただより高いものはないからと無償援助を断ったら、対価としての期限つきの婚約を求められた。
モテすぎて困っている彼の女避けだと聞いていたのに、実はそのような狙いはなく、すべては和葉を守るための提案だったと後から知った。
一緒に暮らしている中で、大事に思われていると感じる場面も何度もあった。
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