100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
(可愛げがないと思っているんだ。その通りだよ。自分でもなんでこんな性格なのかと呆れてる。でもそれでいい。これで片想いも終わりにするから)
美玲に勝負を持ちかけられた結果、彼を諦めたのは和葉もだった。
そう思っているのに、なぜか五十嵐の口角が上がる。
「告白された気がしないが、まぁいい。近日中に婚姻届けを取りにいこう」
「今日はずいぶんと私の話しを聞かないですね」
「聞いている。俺が好きなんだろ? 俺も同じ気持ちだ。勝手に片想いだと決めつけるな」
「へっ……?」
予想外の言葉に理解が追いつかず、間抜けな声で聞き返す。
こちらは徹夜で悩んで脳が疲れているのだから、もっとはっきり言ってほしい。
「それはつまり、五十嵐さんも私が好きだということですか……?」
消えたばかりの期待が復活し、胸の中で瞬く間に広がる。
動悸を加速させて愛の言葉を待っているというのに、腕時計に視線を落とした彼に時間切れを指摘された。
「続きはあとで。家で待っているから、頑張ってこい」
「え、ちょっと待ってください!」
呼び止めても聞いてくれず、背を向けた彼が片手を上げて別れを告げる。
駐機場に面したターミナルビルの関係者出入口へ足早に向かい、その背が完全に見えなくなった。
(なによそれ。喜びたくても喜べないじゃない!)
< 192 / 243 >

この作品をシェア

pagetop