100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
「すごい、ピッタリです」
「測ったから当然だ」
「えっ、いつ?」
心当たりのない和葉に、彼の口角がニッと上がる。
「夜勤明けのお前がソファで寝ていた時だ。同棲開始後たった数日で、腹を出して寝られる度胸に感心した」
あの頃は夏真っ盛りで、部屋着はTシャツにショートパンツだ。
Tシャツがめくれてへそが見え、よだれまで垂らして熟睡していたと聞き、顔に熱が集中した。
「人の寝姿を観察して指のサイズまで測るなんて。起こしてくれてもいいじゃないですか!」
「あそこまで気持ちよさそうに寝られると、起こせないだろ。襲われなかっただけ感謝しろ」
「襲われ……!?」
美人揃いのCAから熱視線を浴びる彼が、女子力の低い自分に欲情するとは思えなかった。
「私にも色気があるの? いや、ないでしょ」
自問自答していると、腰に彼の片手が回された。
ライティングデスクの明かりを映したその目は熱っぽい。
鼓動が跳ねた次の瞬間、一気に横抱きにされて口から心臓が飛び出しそうになる。
「五十嵐さん!?」
「落ちるぞ。暴れるな」
慌てても下ろしてくれず、ベッドまで運ばれて仰向けに寝かされた。
黒髪がシーツに広がり、顔の横に片腕を突き立てた彼に真上から覗き込まれる。
(こ、この状況って)
切れ長の彼の目はいつもは涼しげな印象だが、今は熱を帯びたように艶めいて、隠すことなく大人の色香を全身から醸している。
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