100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
熱い吐息が唇にかかり、体を密着させた彼に広げた両足を抱えられた。
いよいよ繋がるのだと気づくと、急に現実に引き戻されて体が強ばった。
(痛いよね? どうしよう、結構怖い……)
「五十嵐さん、待って」
ほどよく筋肉のついたたくましい胸を両手で押して抵抗すると、体を起こしてくれた。
「怖いのか?」
「き、緊張しているだけなので大丈夫です。あの、プッシュバックくらいのゆっくりしたスピードでお願いします」
「こんな時にも航空機か」
呆れられてしまったが、お願いした通りにゆっくりと腰を沈めてくれる。
「うっ、痛っ――」
「まだ少しも入っていないぞ。怖いと思うからだ。力を抜け」
「そんなこと言われても無理です」
睨み合うように視線をぶつけていたが、急に眉間の皺を解いた彼に普通の口調で問われる。
「衝撃波によって主翼の風圧中心が後退し、機体が機首下げになる現象をなんという?」
「へ?」
「この程度がわからないのか。勉強不足だ」
「わかります。どうして今、そんなことを聞くのかと思っただけです」
これでも同期の中で成績はいい方だ。バカにしないでという負けず嫌いの気持ちで答える。
「タック・アンダです」
「正解。やるじゃないか」
「このくらい当然で――あっ!」
褒められて胸を張った直後に、中心を貫かれた。
強い痛みが下腹部に走って呻いたが、一瞬で通り過ぎて尾を引かず、目を瞬かせる。
「入りました?」
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