100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
扉を開けて飛び込むと、コックピットの窓の外を雲が流れていた。
(もう飛んでる!? どうしよう。今日のこのあとの整備に入れない)
呆然したその時、機体が雲の上に出て、急に眩しい太陽に照らされた。
『ああ、きれいだ。地上から見るよりずっと。パイロットになってよかった』
副操縦士席のしみじみとした声は五十嵐のもので、逆光の中で振り向いた彼は嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
(五十嵐さんが操縦を楽しんでいる……!)
どういう心境の変化があったのかわからないが、その笑顔は本物で、心の底からホッとした。
「心配していたんですよ。本当によかった……」
ムニャムニャと呟くと、耳元で呆れ声がする。
「よくないだろ。いい加減に起きろ。遅刻するぞ」
「ん?」
やっと目を開け、ぼんやりとした意識が固まってくると、起床時間が過ぎているのに気づいてたちまち慌てた。
「今、何時ですか?」
毛布を跳ねのけて身を起こす。
ここは五十嵐のベッドで、隣には迷惑顔の彼が素敵な半裸をさらして横になっていた。
「六時二十分」
「大変、シャワーを浴びようと思ったのに時間がない。どうしてもっと早く起こしてくれないんですか」
「俺のせいにしている暇があるなら支度しろ」
「言われなくても――あっ!」
ベッドから下りてなにも身に着けていないことに気づき、慌てて落ちているパジャマや下着をかき集める。
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