100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
(横抱きよりすごいこと考えてた!?)
驚いてグラスを倒しそうになったが、ククッと笑っているのでからかわれただけだのようだ。
心臓に悪いからやめてほしいと思いつつ、大皿の料理を取りわけた。
「どうぞ。お口に合わなかったらすみません」
まずはパパイヤイリチーを口にした彼が頷く。
「初めて食べたがうまいな。切り干し大根のような歯ごたえだ。アッサリして、パパイヤの甘みとだしの風味を感じる」
「沖縄料理はだしを利かせているから薄味なんです。こっちも食べてみてください」
高評価に嬉しくなって、食べるのを急かしてしまう。
四品を順番に食べて感想を言ってくれた彼だが、なぜか小鉢の茄子料理に手をつけない。
「好きなものは最後に食べる派ですか? これはヘチマの味噌煮なんですけど、御子柴キャプテンに好物を聞いたので茄子で作りました」
「なるほど」
一気に食べきって「美味しい」と言った彼に嬉しくなり、お代わりを勧めた。
「もう少しだけもらおうか」
「少しと言わずたくさん食べてください」
先ほどより大きめの器に盛って渡すと、いつになく優しい笑みを返してくれた。
(今度、御子柴キャプテンにお礼を言わないと)
穏やかに流れる食事の時間が心地いい。
ひとり暮らしよりずっと楽しいと感じると、二か月半ほどのちにここを出るのが少しだけ惜しい気がした。
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