妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
居間に通され、ぼーっと座っていれば、ほどなくしてお茶を持った孝之助が円香の向かいに腰を下ろす。孝之助は黙って円香にお茶を差し出してくれたから、円香は「ありがとう」と礼を言って、ありがたくそのお茶をすすった。
熱いお茶が体に染み渡っていく。今はまだまだ暑さの残る季節だが、あまりにも残酷な仕打ちにすっかり冷え切ってしまった心が少しばかり温まる。
すると、円香の意識とは無関係にすーっと一筋の涙がこぼれ落ちた。円香はそれを拭うこともせず、再びお茶をすする。孝之助も円香の涙には気づいたはずだが、何も訊いてはこなかった。
円香が一口一口ゆっくりとお茶をすする中、孝之助は静かに新聞を読んでいる。
孝之助がようやくその口を開いたのは、円香が時間をかけてお茶を飲みきり、湯呑みを座卓の上にコトンと置いたときであった。
「円香。すまんが少し約束事があるから留守番していてくれるか?」
「……わかった」
「ん。ありがとうな」
孝之助はそれだけ言って、本当に出かけていった。
果たして本当に約束があったのか、それとも円香を気遣って一人にしてくれたのか。どちらが正しいのか円香にはわからない。けれど、どちらにしても円香に居場所を与えてくれたことがとてもありがたかった。
熱いお茶が体に染み渡っていく。今はまだまだ暑さの残る季節だが、あまりにも残酷な仕打ちにすっかり冷え切ってしまった心が少しばかり温まる。
すると、円香の意識とは無関係にすーっと一筋の涙がこぼれ落ちた。円香はそれを拭うこともせず、再びお茶をすする。孝之助も円香の涙には気づいたはずだが、何も訊いてはこなかった。
円香が一口一口ゆっくりとお茶をすする中、孝之助は静かに新聞を読んでいる。
孝之助がようやくその口を開いたのは、円香が時間をかけてお茶を飲みきり、湯呑みを座卓の上にコトンと置いたときであった。
「円香。すまんが少し約束事があるから留守番していてくれるか?」
「……わかった」
「ん。ありがとうな」
孝之助はそれだけ言って、本当に出かけていった。
果たして本当に約束があったのか、それとも円香を気遣って一人にしてくれたのか。どちらが正しいのか円香にはわからない。けれど、どちらにしても円香に居場所を与えてくれたことがとてもありがたかった。