妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 階段を前にすると少し緊張する。ここまで来たのはあの日以来だ。

 あのときの悲しい出来事が頭をよぎり、少し胸が苦しくなるが、もう以前ほどの痛みはない。円香はもう大丈夫だと確信して、その階段を上る。

 さすがに、麗香の部屋は見たくないから、真っ直ぐに自分の部屋へと入る。すると、そこには記憶と変わらぬ光景が広がっていた。一年以上の時が経っているのに埃が積もっている様子もない。おそらく母が掃除してくれているのだろう。

 円香はずっと放置していたのに、母が今もなお気を配ってくれていたことに、円香は胸を温かくする。

 母の気持ちに応えるためにも、今日はしっかりと片づけをしよう。円香はそう決意して、腕まくりをする。

 と、そのタイミングで後ろから声がかかった。
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