妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 翌朝の彰史はやはりいつもの彰史であった。昨晩のことには何も触れてこない。円香につらく当たったりもしない。昨晩の出来事が夢だと勘違いしてしまいそうなくらい、いつも通りに接してくる。

 彰史のその対応を円香はありがたいと思いつつも、どうしようもない後ろめたさも感じてしまう。

 円香をもう一度責めてくれれば、円香も謝罪なり何なりできるが、普通の対応をされると円香も普段通りに過ごすことしかできない。

 その状態はしばらく続き、数日が経っても彰史はあの出来事には触れなかった。あの日から円香を誘うこともしない。

 もうこのまま二度と円香には触れてくれないのではないか。そんな不安が円香を支配しはじめる。

 自分で彰史のことを拒絶しておいて、なんとも都合のいい話だが、彰史から見放されるのは嫌だった。彰史との関係を失いたくはなかった。


 円香の中の不安がどんどん大きくなる中、彰史がようやくその話題に触れたのは、あれから二週間後のことであった。
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