「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 不規則でか細かった呼吸も安定し、肌も温かくなる。

 これ以上は魔法に頼らなくても大丈夫だろうと判断し、エレオノールはほっと息を吐いた。

「シュルーシュカさん、聞こえますか」

『ジークは?』

「もう大丈夫です」

 シュルーシュカの身体からぐるるという唸り声のような音がした。

『よかった……』

 耳に聞こえる音は物騒なのに、頭に響く声は安堵に満ちている。

『本当に、本当にありがとう。見苦しいところを晒したわね、恥ずかしいわ』

「いえ、よほどジークハルトさんが大切なんですね。竜騎士だからですか?」

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