「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
『そうといえばそうだし、そうでないといえば違うわ。……私はもともと、前竜騎士団長と組んでいたのよ』

 エレオノールの脳裏に、四十代ほどの男性の姿が浮かんだ。

 シュルーシュカが念話を駆使し、エレオノールの頭に投影しているらしい。

 精悍な顔立ちと長身で、赤い髪はまるで炎のよう。ジークハルトのような整った美貌は持っていないが、信頼の置ける人物だというのはすぐにわかった。

 シュルーシュカは魔法で自分の記憶を共有しながら、懐かしそうに話を続ける。

『ドラゴンとの戦いで亡くなったの。せめて私の血肉として生きてほしかったのに、なにもかも灰にされてしまったわ。……とても悲しくて、つらかった』
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