「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
『素敵なことをなにも知らないから、死んでしまいたいと思うんだよ。たくさん生きて、素敵なことをたくさん知って、それから本当に死にたいかどうか考えてごらん』

 ルストレイクでの日々はあっという間だった。

 長くも短い毎日は大変だったが、得られるものも多かったように思う。

(もう二度と死んでしまいたいなんて思わない)

 エレオノールは鞄を肩にかけ、リュースを抱き上げる。

 そして覚悟を決めた表情のまま、部屋を出て行った。



 メイド長がいた時と違い、好きなように歩き回ることを咎められなくなったため、城の人々はエレオノールが外へ出ようとしても特になにも言わなかった。

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