「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「ええ、まだ子どもですが。きちんとしつけているので、ご迷惑はおかけいたしません」

 リュースはエレオノールに抱っこされ、機嫌よさそうに尻尾を振っている。

「ドラゴンの子どもなんて初めて見た。成体はね、竜騎士団のドラゴンがいるから見られるけど。あとは鱗や爪だけだね」

「鱗や爪? もしかして売れる品なのでしょうか」

「そりゃあドラゴンの素材だもの。薬の材料や武器防具に使われるんだよ。お嬢さんさえよかったら、お金じゃなくてその子の一部と引き換えに馬車を使うのでもいい。はがれた鱗や、欠けた爪があったらぜひ」

「それでしたら……」

 エレオノールは鞄の中から麻の小袋を取り出した。

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