「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 そこに入っているのは、今日までなんとなく捨てずにおいたリュースの欠片である。

「子どもだからか、よく鱗が生え変わっていたんです。大人のドラゴンに比べたらやわらかいものなので、武器や防具には適していないかもしれませんが……」

「それをどうにかして売るのが、商人の腕の見せ所だよ。それに子どものドラゴンの鱗なんて、逆に珍しくて価値がつきそうだ。ありがとう、いい取引ができたよ」

 こうしてエレオノールは馬車に乗せてもらい、さらに気をよくした商人の主人から軽食まで振る舞ってもらった。

 街道を進む馬車の中は荷物がたくさん詰め込まれていて快適とは言い難い。

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