「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
それでも夫婦が広い御者台に並んで座っているおかげで、エレオノールとリュースだけの空間になっており、変に気を遣う必要がなかった。

 護衛を雇っていないため、ほかに人がいないのもいい。

 腕に覚えがあるのか、それとも魔物が出るような危険地帯を通る予定がないのか、どちらにせよ、ありがたい話だった。

エレオノールはのんびりと揺られながら、先ほど振る舞われた鶏肉を挟んだパンをリュースと分け合う。

 ジャムパンを好むリュースだが、鶏肉は気に入ったようでそればかりを要求した。

(どこへ行こう。ベルグ帝国からは出ようと思うけれど)

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