「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
「それが十一歳だとかで」

「まあ、ずいぶんお小さいこと。それでお務めを果たせるのかしら」

 貴族同士の婚姻ならば珍しくないとはいえ、微かに非難の音が交ざる。

「どうも断ったらしいと聞いたよ。それも当然だろうね。なんでもそこの伯爵様は事業に失敗して、貴族とは思えない生活をしているそうだから」

 ちりっと胸が痛むのを感じ、エレオノールはリュースを抱きかかえ直す。

 既に夢の中にいたリュースは、突然ぎゅっとされて寝ぼけた声を上げた。

「相変わらず情報収集がうまいわね。よその国の貴族の事情なんて、普通だったら耳に入ってこないじゃないの」

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