【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
 私は、ただじっと細美さんを見つめる。

 零一くんは、細美さんの側に寄ると見下ろした。その目は、何処までも冷たい。

「今まで散々他者を踏み台にしてきた代償だ。……受け取っておけ」

 細美さんにそう吐き捨てて、零一くんが下がった。彼女は、未だに「嘘よ」「どうして、こんな」と呟いている。

 周囲が見えていない。合わせ、彼女の醸し出す雰囲気がどんどん危ないものになっていくのを、察した。

(なにか、しでかすんじゃあ――?)

 そう思うとほぼ同時に、細美さんがバッと顔を上げて、私を見つめる。……その目に宿っているのは、憎しみ。怒り。敵対心。

「あんたが、あんたが悪いんじゃない!」

 完全な言いがかりだった。

 だから、そう言おうとしたのに――言えない。彼女に、思いきり突き飛ばされたから。

「みつば!」

 零一くんが、慌てて私のほうに駆け寄ってくる。

 だから、大丈夫だって言って立ち上がろうとして。……頭がふらふらとして、立ち上がれない。
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