1時間後、私を忘れる私と自分以外を忘れるきみ。

第1章 事故

「ねぇ、これ可愛いね!どこで買ったの?」



私が手首にはめているブレスレットを指して目を輝かせているのは親友の琴実《ことみ》。

「でしょ?駅前のショッピングモール行ってアルバイトで溜まったお金で買ったんだよね」



ブレスレットは、おしゃれで可愛いお花。


「良いな〜」


プクーと頬を膨らませている琴実が可愛くて思わず笑ってしまう。


「あ、笑ったな!美雪〜!」
「きゃぁ~、やめて〜」


放課後をむかえた教室は静かだから、琴実が私をくすぐって私の悲鳴がいつもより大きく聞こえる。



ふぅ。琴実のくすぐり攻撃はまた来るかもしれないからしばらくの間は油断大敵だ。
< 2 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop