出会った彼は

車のドアがバタンと閉じる音と大好きな人の声がして、後ろを振り返る。


「涼太くん…。」

「お前…。」


想が涼太くんを見てそう言った。

涼太くんは想に握られた私の腕を見た後、冷ややかな顔で想を睨んだ。

「嫌がっているように見えますけど。」

「関係ないでしょ。この間も今も。」

想が涼太くんの問いかけに答えた。


「関係あります。俺の大切な彼女なので。」

「は?彼女?この一般人が?」

涼太くんのことを見ていた想が、ゆっくりと私を見る。


「ほんとに言ってんの?遊ばれてるだけだろ。」
「あぁ何?遊ばれてる分際で、この人自分に本気なんだとか思っちゃった感じ?」
「やめとけって。俺にしとけよ。芽依のこと理解してんのは俺だろ?」

私に向かって話しかける想。

あぁ、この人と別れて正解だったな。
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