出会った彼は

涼太くんがお手洗いに席に立つと、マスターが話しかけてきてくれた。

「涼太と付き合ってどれくらい?」

「へ?」

「あれ、ここには大切な子しか連れてこないからてっきりそうなのかと。違った?」

マスターは少し驚いた様子で私に言う。

「あ、全然そんなんじゃないです。」

「そっかそっか、それはごめん。また来てね?」


と、マスターがこのお店のカードをくれる。

とてもおいしかったし、ここは美沙も連れてきたいなと考えながら返事をする。

「はい、絶対来ます!」


涼太くんが帰ってきたので、私もお手洗いに行かせてもらう。

帰って来るとマスクこそしていないがサングラスと帽子を被って、ほんのり頬を赤く染めた涼太くんがいた。


「よし、行こうか。」

私の手を取って、涼太くんが店の扉へ向かう。

「あ、お会計…。」
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