御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
 宥めるようにいたるところに口づけを落としながら、大きな手が足もとへ伸びていく。
 触れられた途端に聞こえた水音が恥ずかしくて、首を左右に振った。
 拒否しているわけでないと、葵さんもわかっているのだろう。彼の手は止まらず、ゆっくりと私の体の奥を暴いていく。

「あっ……も、もう」

 恥ずかしくなっている余裕は、すっかりない。彼に縋りつくようにして、甘い責め苦に耐えた。
 すぐそこに迫る快感の誘惑には抗えず、無意識のうちに腰を揺らして自ら追い求めてしまう。

「あ、あぁ」

 絶頂を極めて、下腹部から全身に快感の渦が広がっていく。
 体を強張らせる私を、葵さんがすかさず抱きしめてくれた。

 静まり返った寝室に、私の荒い息遣いだけが響く。
 全身から力が抜けていき、四肢を投げ出して呆然と天井を見つめた。

「瑠衣」

 私を抱きしめた葵さんが、小さく体を揺らした。
 腰にあたる彼の昂りに気づいて、ハッとする。

「きて、ください」

 自分からお願いするなんて、恥ずかしすぎる。
 でも、求めているのは私も同じだと知ってほしくて、勇気を出して伝えた。

 再び覆いかぶさった葵さんが、全身に口づけを落としていく。
 時折チクリとした痛みが走った箇所には、いくつもの所有の印がつけられていた。

「瑠衣は俺のものだ」

 独占欲を丸出しにする彼を見ていると、幸福感に満たされていく。
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