御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
「愛してる」

 ささやきながら、葵さんはゆっくりと腰を沈めた。
 そうしてようやくひとつになれた喜びに、自然と笑みが浮かんだ。

「私も、あなたを愛してる」

 素直な想いが、自然と口を突いて出る。

「瑠衣!」

 わずかに目を見開いた葵さんは、もう我慢できないとばかりに私をかき抱いた。
 口づけながら、葵さんがそろりと動きだす。

「あっ」

 私の反応のよい所を見つけると、繰り返し攻められる。それと同時に再び胸もとに触れられて、甘い嬌声が止まらなくなった。

 体の奥を何度も突き上げられて、快感に翻弄される。
 大きな期待とどうにかなってしまいそうな恐怖に瞼をきつく閉じた。
 思考はすっかり霞み、もうなにも考えられない。必死にしがみついて、ただひたすら彼の存在だけを追い求めた。

「ああぁ」

 絶頂を極めて、悲鳴のような声を上げながら体を大きくしならせる。
 それでも葵さんの動きは止まらない。

 逃がさないとでもいうように腰をぐっと掴まれて、痙攣する体をなおも揺さぶられる。もう声すら出せず、口をはくはくとさせた。

「くっ」

 小さな呻き声を漏らし、ようやく葵さんの動きが止まる。
 それから体重をかけすぎないように気遣いながら、私の上に倒れ込んできた。

「愛してる」

 朦朧していても、その言葉だけはしっかりと耳に届いた。
 隣に横たわった彼の胸もとに抱き寄せられる。
 直に感じる彼のぬくもりに安堵しながら、ゆっくりと意識を手放していった。
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